「今日、退院できるかな?」
本来なら、そんな心配をする日ではありませんでした。
今日は妻と赤ちゃんの退院予定日。
家族5人で暮らす生活が、いよいよ始まる。
……はずでした。
ところが、朝になって妻から連絡が入ります。
「ベビーの黄疸の数値が高いから、今日退院できるかわからないって」
——黄疸?
正直、すぐに頭に入ってきませんでした。
しかも僕は、昨晩から嘔吐と下痢。
体はボロボロ。
それでも今日は動ける状態でいなければいけない。
カロナールを飲んで、無理やりスイッチを入れました。
3人目が生まれて5日目。
家族5人の生活が始まる直前に、まさかこんな一日になるとは思っていませんでした。
退院の朝に届いた「まさかの連絡」
もともと退院は11時の予定。
それまでは普通に、
「今日は迎えに行って、家族5人で過ごせるぞ」
と思っていました。
ところが、赤ちゃんの黄疸の数値が高いということで、退院できるかどうか分からない。
新生児の黄疸とは?
赤ちゃんの血液中にあるビリルビンという成分が増えることで、皮膚や白目が黄色く見える状態です。
新生児には比較的よく見られるものですが、数値によっては治療や経過観察が必要になります。
今回も病院がそう判断したなら、従うしかありません。
とはいえ、
「じゃあ、今日はどうなるの?」
となります。
僕も。
妻も。
両家の母も。
会社も。
みんなが「連絡待ち」。
退院の予定はある。
でも、その予定が実行されるか分からない。
なんとも落ち着かない時間でした。
「予定があるのに、予定が立てられない」
父親になってから、こういうことが増えた気がします。
子どものことになると、
「こうする予定だった」
が簡単に変わる。
病気になった。
学校から連絡が来た。
予定していた外出ができなくなった。
今回もそう。
赤ちゃんの状態を最優先にするのは当然です。
だから、
「退院できるかどうかを待つ」
しかありません。
頭では分かっている。
でも、仕事をしながら、
「まだ連絡ないかな」
とスマホを何度も確認してしまう。
予定が決まらないって、こんなにソワソワするんですね。
「退院できるって!」その一言で力が抜けた
仕事の合間。
またスマホを確認する。
すると、妻からLINE。
「退院できるって!」
その一文を見た瞬間、
体の力が一気に抜けました。
すぐに返信。
「いつ迎えに行けばいい?」
すると、
「いつでも大丈夫だよ。」
時計を見ると、11時頃。
この日はたまたま現場が自宅から近かった。
急いで帰宅。
着替えて、車へ飛び乗ります。
昨晩から絶不調の体。
それでも、
「ちょっと待ってて」
と心の中でつぶやきながら、病院へ向かいました。
とにかく、
退院できる。
それだけで十分でした。
ようやく迎えに行けた、5人家族になる瞬間
11時20分頃。
ほぼノンストップで病院に到着。
駐車場に車を入れて、足早に病棟へ向かいます。
妻はすでに着替えを済ませ、面会室で待っていました。
そして、そこに小さなベビー。
「お待たせ。」
……と言ったかどうかは覚えていません(笑)。
ただ、顔を見た瞬間、
「やっと帰れるんだ」
という気持ちになりました。
外は寒い。赤ちゃん、大丈夫かな?
この日は寒かった。
病院の中は暖かい。
でも、これから外へ出る。
「こんな温度差、大丈夫なのかな?」
初めて赤ちゃんを家に連れて帰るわけじゃないのに、やっぱり心配になります。
温かく包んで、車へ。
過剰に守ることはできない。
今できることをやって、家へ連れて帰る。
それが、そのときの僕にできることでした。
会計は17万8000円。現実も一緒についてきた
そして退院時のお会計。
17万8000円。
数字を見た瞬間、
「おお……」
とはなりました(笑)。
でも、迷いはありません。
いろいろなことを乗り越えて、今日ここまで来た。
妻も頑張った。
赤ちゃんも頑張った。
そして、これから5人家族の生活が始まる。
そんなことを考えながら、家へ向かいました。
「おかえり」で始まった、新しい日常
12時10分。
家に到着。
玄関では、
- 両ばぁば
- ズル休みした長男
- 起立性障害と向き合いながら頑張っている長女
が待っていました。
玄関を開けた瞬間、空気が変わる。
「小さい!」
「かわいい!」
代わる代わる抱っこされるベビー。
その光景を見て、
ようやく実感しました。
——本当に5人家族になったんだ。
3人目の出産。
妻と赤ちゃんが入院していた5日間。
上の子たちの生活。
仕事。
いろいろあったけど、
この瞬間に全部つながった気がしました。
5人家族になった。でも、感慨に浸っている暇はない
……とはいえ。
現実はそんなに甘くない(笑)。
午後から仕事があります。
そして僕は、昨晩から体調不良。
本来なら、
「家族5人でゆっくり過ごしたい!」
ところですが、そうもいきません。
昼食も取らず、そのまま布団へ。
とにかく寝る。
体を回復させる。
これも、父親の仕事です。
3人育児が始まる前に、まず僕が休む
今回、身をもって感じました。
家族を支えるためには、父親自身も倒れないことが大事。
「父親だから頑張らなきゃ」
「仕事もあるし」
「家のこともやらなきゃ」
そう思ってしまう。
もちろん、頑張ることは大切です。
でも、
限界まで頑張ることが、家族のためになるとは限らない。
今回の僕みたいに、体調を崩してしまったら、逆に家族に負担をかけてしまいます。
だから、休む。
誰かに頼る。
できないことは後回しにする。
それも、家族を守るための選択なんだと思います。
家族5人の新しい生活が始まる
3人目が生まれて5日目。
退院できるか分からない朝から始まり、
「退院できるって!」
という連絡にホッとして、
病院へ迎えに行って、
家族5人で初めて家に帰ってきた。
そして最後は、
父親の僕が布団に倒れ込む(笑)。
なんとも僕らしい5日目でした。
これから始まる3人育児。
楽しいことばかりではないと思います。
たぶん、大変なこともいっぱいある。
でも、
長男、長女、そして生まれたばかりの次男。
妻と僕。
5人で暮らす毎日が始まります。
45歳の僕にとっても、ここからまた新しい挑戦です。
無理をしすぎず、
助けてもらいながら、
家族との時間を楽しんでいこうと思います。
家族5人の生活、スタートです。
